Overview
現代の代議制民主主義は投票を合意形成の中心に据えていますが、投票には「票をもつ人の数で勝敗が決まる」という宿命があります。少数派の声や、まだ言語化されていない感情、議論の過程で立ち現れる新しい選択肢は、票数という1次元に圧縮されることで多くの場合失われてしまいます。
本プロジェクトでは、投票より前に、もしくは投票とは別のレイヤーで熟議的な合意形成を駆動する仕組みを設計しています。参照しているのは pol.is の opinion map や、台湾のデジタル民主主義プラットフォーム、そしてハーバーマスが描いた理想的発話状況です。
Process
以下の3段階のプロトタイプを試行しています。
- 意見空間の可視化 — 参加者の意見を2次元にマップし、賛否ではなく「近さ」で議論の地形を表現する
- 争点の自動抽出 — 同意・不同意が割れている軸を機械学習で検出し、ファシリテーターに提示する
- 合意の層状表現 — 全員が同意できる部分、一部のみが同意する部分、対立している部分を分離して表示する
Outcome
まだ実証段階ですが、ゼミ内ワークショップでは「投票では見えなかった第3の選択肢」が実際にいくつも立ち現れました。修士論文ではこのプロトタイプを核に、熟議的 UI/UX の設計原則をまとめる予定です。
Keywords
deliberative democracy / pol.is / design philosophy / collective intelligence / consensus design